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意匠審査職員採用試験

皆さん。意匠の審査官は、特許審査官と同じく国家公務員総合職ですが、採用試験は特許庁が独自に行っていることをご存じですか。試験科目は「意匠学」。多肢選択式と論文で構成されています。
どんな問題だろう、と覗いてみたところ、論文試験はデザイン史、デザイン技法、ものの製造方法、図面の読解などに加えて、毎年骨のある問題というか「意匠」(物品の形態)という範囲にとどまらない広義の「デザイン」をテーマにした課題が出題されています。

29年
企業の製品開発プロセスにおけるデザインマネジメントの重要性について論ぜよ。
28年
アクセシビリティを考慮したデザインの必要性について,情報通信機器に関する事例を示しつつ論ぜよ。
27年
デザインによる地場産業活性化の取組について,どうあるべきか,これまでの事例を挙げつつ考えを述べよ。
26年
次の資料は国際社会の現状を示すものである。これを読んで,主として開発途上国が抱える課題を一つ挙げ,その課題解決に資するデザインの在り方について述べよ。
25年
次の文章は,『デザイン思考と経営戦略』(奥出直人 著)からの一部抜粋である。
これを読んで,いわゆる「20世紀のものつくり」から脱却し,日本企業が目指すべき今後のものつくりとはどうあるべきか,具体的な事例を挙げつつ述べよ。
また,その上で今後のものつくりにおいてデザイナーに求められる役割について述べよ。24年
市場へ参入する企業が増加し,製品の差別化が困難になり,価格競争の結果,企業が利益を上げられないほどに価格が低下することをコモディティ化という。
このようなコモディティ化について製品の例を挙げて説明し,コモディティ化を回避するために,製品開発においてデザインが果たしうる役割を具体的に述べよ。

どれも、普通のデザイン系学生には答えられない問題のように思われ、合否に影響していないのだろうと思います。
そうではあっても、このような問題を出し続けているということは、特許庁(意匠課)として、「意匠」の登録官庁であることに安住せず、広義の「デザイン」を振興していくという意思の表れである、と賛辞をもって受け止めています。

とはいうもの、遅くとも24年以来このような出題しているにもかかわらず、意匠課の施策は「出願」中心のように思えます。広義のデザイン振興としては、「デザインによるブランド創り」ということを検討しているようではありますが、出題内容と比べて、狭すぎます。

是非とも、これらの問題にきちんと答えて審査官(補)になった人たちが、活躍できるような施策を打ち出してもらいたいものです。
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プロフィール

legatoip

Author:legatoip
弁理士 峯唯夫です。
特許や、意匠・商標・著作権などの「知的財産」を扱う仕事をして35年以上になります。
このブログは、峯の日常活動の備忘録として、思いつくことを記述します。

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特許業務法人レガート知財事務所
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