パロディーに絡んだ商標審・判決の紹介(5)
審判番号 不服2003-8584(審決日 平成17年12月 5日)
判断:「daNpa」の称呼「ダンパ」と「ダンパー」は類似する。(11号該当)
この事案は、上掲の商標を出願した出願人が、以下の登録商標に類似するという理由で拒絶査定を受け、拒絶査定不服審判において「パンダをもじったパロディー商標」であると主張したものです。この主張は審判で認められす、拒絶査定が確定しました。
現在の審査・審判であれば図形の有無、文字の態様の違いなどにより、非類似とされるのではないかと思います。

請求人は、本願商標は、パンダのぬいぐるみ様の絵柄の白黒反転図形と、「パンダ」の読みと逆となる綴りの欧文字を配したものであって、全体として、パンダをもじったパロディー的なキャラクターを商標として採択したものであり、この採択の意図は、本願商標の取引者、需要者に容易に認識され、「ダンパ」の称呼は、「パンダ」の逆をいうことになることを認識して称呼し、それが、白黒反転の「パンダ」の絵柄と一体となって把握されることになり、本願商標は、「パンダ」と無関係なものとして称呼、観念されることはない旨主張しているが、請求人による本願商標の採択の意図が、本願商標に接する取引者、需要者に広く認識、理解されていることを認めるに足りる証拠の提出がないばかりでなく、該図形から白色と黒色を反転したパンダを直ちに認識するとみるべき特段の事情も見いだせないものであり、本願商標については上記認定のとおりであるから、請求人の主張は、採用することができない。
他方、引用商標は、前記のとおり、「ダンパー」の片仮名文字と「DUMPER」の欧文字とを書してなるところ、その構成中の「ダンパー」の片仮名文字は、「DUMPER」の欧文字部分から生ずる読みを特定したものと認められるから、引用商標は、その構成文字に相応して「ダンパー」の称呼を生ずるものである。
しかして、該「DUMPER」の欧文字は、英和辞典をひもとけば「ごみ捨て人夫、貨車転倒装置」等の意味を有するとしても、これが、引用商標に接する取引者、需要者の間で広く知られているとはいい難いことから、むしろ、一種の造語よりなるものとみるのが相当である。
そこで、本願商標から生ずる「ダンパ」の称呼と引用商標から生ずる「ダンパー」の称呼とを比較すると、両称呼は、称呼における識別上重要な要素を占める語頭音から第3音までの「ダンパ」の各音を同じくし、異なるところは語尾における長音「ー」の有無に差異を有するのみである。
そして、この長音は、「パ」音の母音(a)の余韻として残る程度の弱音であり、かつ、比較的聴取され難い末尾に位置することも相まって、「パ」音に吸収されて明確には発音、聴取され難い音といえるから、この長音の有無が称呼全体に与える影響は決して大きいものとはいえず、両称呼をそれぞれ一連に称呼するときは、全体の語調、語感が近似し、称呼上相紛れるおそれがあると判断するのが相当である。
判断:「daNpa」の称呼「ダンパ」と「ダンパー」は類似する。(11号該当)
この事案は、上掲の商標を出願した出願人が、以下の登録商標に類似するという理由で拒絶査定を受け、拒絶査定不服審判において「パンダをもじったパロディー商標」であると主張したものです。この主張は審判で認められす、拒絶査定が確定しました。
現在の審査・審判であれば図形の有無、文字の態様の違いなどにより、非類似とされるのではないかと思います。

請求人は、本願商標は、パンダのぬいぐるみ様の絵柄の白黒反転図形と、「パンダ」の読みと逆となる綴りの欧文字を配したものであって、全体として、パンダをもじったパロディー的なキャラクターを商標として採択したものであり、この採択の意図は、本願商標の取引者、需要者に容易に認識され、「ダンパ」の称呼は、「パンダ」の逆をいうことになることを認識して称呼し、それが、白黒反転の「パンダ」の絵柄と一体となって把握されることになり、本願商標は、「パンダ」と無関係なものとして称呼、観念されることはない旨主張しているが、請求人による本願商標の採択の意図が、本願商標に接する取引者、需要者に広く認識、理解されていることを認めるに足りる証拠の提出がないばかりでなく、該図形から白色と黒色を反転したパンダを直ちに認識するとみるべき特段の事情も見いだせないものであり、本願商標については上記認定のとおりであるから、請求人の主張は、採用することができない。
他方、引用商標は、前記のとおり、「ダンパー」の片仮名文字と「DUMPER」の欧文字とを書してなるところ、その構成中の「ダンパー」の片仮名文字は、「DUMPER」の欧文字部分から生ずる読みを特定したものと認められるから、引用商標は、その構成文字に相応して「ダンパー」の称呼を生ずるものである。
しかして、該「DUMPER」の欧文字は、英和辞典をひもとけば「ごみ捨て人夫、貨車転倒装置」等の意味を有するとしても、これが、引用商標に接する取引者、需要者の間で広く知られているとはいい難いことから、むしろ、一種の造語よりなるものとみるのが相当である。
そこで、本願商標から生ずる「ダンパ」の称呼と引用商標から生ずる「ダンパー」の称呼とを比較すると、両称呼は、称呼における識別上重要な要素を占める語頭音から第3音までの「ダンパ」の各音を同じくし、異なるところは語尾における長音「ー」の有無に差異を有するのみである。
そして、この長音は、「パ」音の母音(a)の余韻として残る程度の弱音であり、かつ、比較的聴取され難い末尾に位置することも相まって、「パ」音に吸収されて明確には発音、聴取され難い音といえるから、この長音の有無が称呼全体に与える影響は決して大きいものとはいえず、両称呼をそれぞれ一連に称呼するときは、全体の語調、語感が近似し、称呼上相紛れるおそれがあると判断するのが相当である。
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