FC2ブログ

デザインスケッチは「商品の形態」ではない

デザインスケッチは「商品の形態」ではない
(平成 26年 (ワ) 17832号 損害賠償等請求事件 東京地判2015年9月30日)

不正競争防止法は、「他人の商品の形態」を模倣した商品の販売などを不正競争行為として禁止している。
「商品の形態」というためには、実際に販売されている事実を必要とするかどうか、という議論はあるものの、「具体的な形」として、すぐに商品として販売できる状態でなければならない、と一般に言われている。
しかし、どこまで具体化されていれば「商品の形態」と言えるのか、という点についての判決はなかったと思う。
「おかずを挟んだご飯」という事件があり(東京高等裁判所 平成12年11月29日判決)、この事件ではアイデアに過ぎないことを理由に「商品の形態」ではないと判示した。
この事件では、「形」が全く提示されていなかったので、未だ「スケッチ」がどうなのかという裁判所の判断はなかった。
「スケッチでもダメ」と判示したのがこの判決。
きわめて妥当な判決だと思うが、「スケッチもダメ」とした最初の判決だと思い紹介します。

この裁判。主な争点は契約の解除の正当性なのですが、解除後にデザイナーが企業に提示したデザインを、企業が使用することの正当性も争点となっています。
その中で裁判所は、以下のように判示し、スケッチは「商品の形態」にはあたらない、企業がこれを使用しても不正競争防止法2条1項3号(商品形態模倣)には該当しない、と判示しています。

「商品の形態」とは,これに依拠して実質的に同一の形態の商品である「模倣した商品」を作り出すことが可能となるような,商品それ自体についての具体的な形状をいうものと解される。
本件デザイン画は,衣料品の観念的・概略的なデザインにすぎず,いずれもその品目に示された衣料品等の具体的な形状を示すものではないから,被告の販売する衣料品等は,不競法2条1項3号にいう「他人の商品の形態・・・を模倣した商品」には当たらないというべきである。

デザイナーにとっては残念な判断ですが、法律の解釈としてはそうならざるを得ないと思います。

レガート知財事務所
弁理士 峯 唯夫
http://legato-ip.jp/
スポンサーサイト



プロフィール

峯唯夫 レガート知財事務所

Author:峯唯夫 レガート知財事務所
弁理士 峯唯夫です。
特許や、意匠・商標・著作権などの「知的財産」を扱う仕事をして35年以上になります。
このブログは、峯の日常活動の備忘録として、思いつくことを記述します。

東京都新宿区高田馬場2-1-2
TOHMA高田馬場9階
特許業務法人レガート知財事務所
弁理士 峯  唯 夫
*********************
HPはこちら http://legato-ip.jp/
ご連絡は
mine?legato-ip.jp
('?'を’@'に変更してください)

最新記事
最新コメント
月別アーカイブ
カテゴリ
ブログ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク